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電機産業は、生産コストを引き下げるために自社生産を縮小し、EMSを積極的に活用した。
このことが、景気後退期にEMSを大きく伸張させるきっかけとなったのである。
ベーコン&ブライトン論文によれば、世界のCM市場は1980年にはおよそ10億ドルだったが、96年には60億ドルに伸び、98年には90億ドルに達した。
こうしたEMSの伸びは、顧客である電機・電子産業の成長を大きく上回るものとなっている。
このような急激な成長をもたらしたものは何か。
当初、EMSの主たる顧客は家電産業だったが、その後コンピユータ産業の比率が高まり、1998年にはEMS産業全体の40%を占めるまでになった(ベーコン&ブライトン論文)。
そして、現在EMSの主要な顧客として比率を高めつつあるのが、通信機器産業である。
ベーコン、ブライトン両博士は、EMS全体に占める通信機器分野の比率は、94年に19%だったものが2001年には21%に拡大すると推計している。
ご承知のようにアメリカの通信機器産業(通信市場)は、1980年以降大きな事業構造変革を経験してきた。
ベーコン&ブライトン論文では、この通信機器産業における事業構造変革が、EMSの通信機器分野への進出を加速させ、EMSを製造工程の下請け企業から、設計、生産、配送までの一括受託企業へと発展させるきっかけになったと指摘している。
当時、通信機器産業をおそった構造改革は、技術革新と規制緩和である。
技術革新は、通信とコンピュータとの融合をすすめ、その結果として多くのベンチャー企業を誕生させるきっかけになった。
さらに、規制緩和によって通信事業への新規参入が増大し、通信事業者間のみならず、通信事業者に機器を納入するメーカー間の競争が激化した。
その結果、産業全体として生産性に対する関心が高まり、低生産性の工場の閉鎖や企業自体の淘汰がすすむとともに、国家独占が減少し多くの民間企業が誕生することになった。
こうした通信機器市場の構造変化とそれにともなう需要増を背景に、多くのEMSが通信機器分野に進出することとなった。
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